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よろこびをはこぶ容(かたち)第7話「仕事は一人で出来ない」

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定番商品・ミセス向き商品の企画が安定してきた頃、

いつの間にか、私の企画商品の生産ロットは大きくなっていた。

繰り返し、安定して出荷されていくので、

初回の生産以外にも、工場の閑散期に生産された。

自然に、仕入先の対応も多少の無理が利くくらいになった。

 

後輩の一人が、企画室から生産部に配属され、

ネールヘッドというパーツの使用で悩んでいた。

爪のある丸い飾り鋲で機械装着なのに上手くいかない。

薄い生地に着けると生地が寄ってつれた状態になった。

当時のアイドル顔負けに美人で可愛い後輩の、

「クチュッとつれるんです」と、身を縮めて云うジェスチャーがたまらなく可愛かった。

 

その解決策を考えていたら、

仕入先さんが、2mmくらいの丸の集合のアルファベットを持ってきてくれた。

「合皮に打つとこんな感じです」と見せてくれたのがいい感じ。

現場の解決策はさておき、新しい企画に使えるとアンテナがピンと動いた。

これをマークにして、ナイロン生地のキルティングでスポーティなバッグを作った。

綺麗カジュアルとか、エレガントカジュアルという言葉がファッション誌に躍っていた頃だった。

当時の人気グループのプリンセスプリンセスにあやかろうとPri-Priと名付けた。

 

ところが、展示会では生産ベースに乗るか乗らないかのギリギリの受注。

結果、非生産となり、残念に思っていたら、後輩営業マンが社長への直談判を頼みに来た。

「僕、これ売りたいです!作らせて下さい!」と、社長に食い下がり、私は驚いた。

社長は渋々OKしたが、当時、大量生産の定番ばかりを企画していた私に、

「あんたの生産数にしては少なすぎる。」と、社長はひとこと。

 

その商品は、生産が上がって来る前に受注数が上回り、生産中に2度の追加をした。

東京の神田にある店で、私立大OGの奥様達に火が付いたからだった。

 

Pri-Priは、私に「仕事は一人では出来ない」を教えてくれた。