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よろこびをはこぶ容(かたち)第8話「わしが解らんもんが売れたらホンモンや」

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Pri-Priの大ヒットが落ち着き始めた頃、
ローマの休日をTVで観ていると、
オードリー へプバーンが首にハンカチを巻いているのが目に止まった。

とてもキュートで、あの結び目を表現したくてたまらなかった。

バッグのハンドルの根元に試してみた。なかなかGOODだった。

社長には「コレ、売れるんか?」と言われながらも生産することとなった。

ところが、いざ、生産となったら、生産現場では問題になった。
「あんたはサンプル1本やから出来るけど、これを大量生産するとなったらかなわん。」

ショックだったし、落ち込んだが、イケるという予感はあった。
改良もして、現場担当者には頭を下げてお願いした。

いつの間にか、私の作ったバッグ中で1番の大ヒット商品になった。
超ロングランになった頃、生産現場の担当者にばったり会った。
「今はアレだけ生産してたら充分やわ。」と云われた。嬉しかった。

通勤電車内でもバッグ店でもよく見かけた。
若い社員にも愛用者がいた。

自社製品の自分使用は少なかったので嬉しかった。
というより、私の思っていたミセスゾーンは、
世代交代して、少し自分に近づいていたのかもしれない。

しばらくして、
「わしが解らんもんが売れたらホンマモンですわ」と社長が言った。
またしても嬉しかった。

これが最初で最後のお褒めの言葉だったように思う。